贈与型賃貸住宅(vol.3)
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今回、ご紹介するお家は贈与型賃貸住宅の3軒目となるお家。
「贈与型賃貸住宅」という言葉は当社が作った言葉であるが、「贈与なの? 賃貸なの?」と思われる方も多いかと…。
結論から言うと両方ではあるが順番がある。
まずは「賃貸」として10年住んでいただき、その後、気に入っていただければ「贈与」として土地・建物を差し上げるという仕組み。
いただく質問の中で多いのが以下の2点。
Q1.賃貸期間中、必ず10年住まないといけないのか? 途中で退去することは出来ないのか?
Q2.必ず贈与を受けないといけないのか?
答えとしては、
A1.10年住んでいただかなくても、退去は可能。
A2. 「贈与」は強制ではなく選択制であり、10年後も賃貸として住み続けていたくことも可能。
である。
「贈与型賃貸住宅 Vol.3」のお家についてご紹介。
当社がこのお家を取り扱うことになったきっかけは、知人を通じての所有者さんからのご相談であった。
築60年以上になるお家ではあるが、リフォーム・リノベーションを行えばまだまだ先も住めるお家である。
今回の「贈与型賃貸住宅(vol.3)」のリフォーム・リノベーションの程度は他のお家に比べたら少なめ。
必要以上にリフォーム・リノベーションは行わず、本当に必要なところだけを行っている。
その事で、リフォーム・リノベーションの費用を抑える事ができ、その分、抑えた賃料でお客様にご提供できる。
上のBefore/Afterの写真を見ていただくと分かるが、屋根は塗り替えており、他の箇所では外装の塗装、補修や補強も行っている。
当社のリノベーションの特徴は、ただ新しく作り変えるのではなく、古いものだから持ち得る輝きや、時を重ねたものにしかない価値を見出し、敢えて残し、古いものと新しいものとの組み合わせで完成していく。
しかしそれは、はっきりと「新しいもの」と「既存のもの・古いもの」と分ける組み合わせでなく、お互いが主張せず、調和しあう空間となっている。
こういった物件のご相談をいただく方々の多くは当然のことながら50代以降のお客様が多い。
何故❝当然❞なのか?
それは、ご両親や親族からお家を受け継ぐも、既にご自身のお家を所有されている事が多い年代だからである。
こちらの「贈与型賃貸住宅(vol.3)」のお家も同じである。
ご相談をいただいた方には既にお家があり、「空き家にしているのも勿体ないし、ご近所の方にも空き家にしていることでご迷惑をかけてしまう。どうにかならないか?」とのことだった。
リフォーム・リノベーションを行い、そのお家を「家族」という枠にこだわることなく、次の世代の方々が受け継いで、住んでいただければと考える。
ここで、当社が取り組む贈与型賃貸住宅の5つのメリットについてご紹介。
1.空き家対策
❝終活❞で家仕舞いをされる方々もおられ、終活目的でご相談をいただくことも増えてきた。
自らの高齢化による自宅の処分(家仕舞い)でのご相談。もしくは、子どもさん方から「(家は)お父さん、お母さんの代できちんと処分してほしい」と言われてのご相談。
または、家を相続するも維持・管理・処分で困っている方々が新聞やテレビ等で「贈与型賃貸住宅」を知り、「相続した家を次の世代の方々の為に使用することはできないか?」とご連絡をいただくケースも増えてきた。
このような方々の選択肢になれれば幸いである。
2.子育て支援策
「贈与型賃貸住宅」は対象物件に10年間、賃貸として住まれたら土地と建物を贈与する(差し上げる)仕組みであるが、何故10年か?
それは、子育て世代によって教育資金が最も多い支出であり、そのピークが10年後の高校や大学の進学時期ではないかと思い、その頃に家賃の負担がなくなれば、その分を教育資金に回していただくことができると考えた為である。
3.マイホーム支援
対象物件に10年間賃貸物件として住むことで、その後、無償で土地・建物を譲り受けることができることから、古いながらも自分の家をもつことができ、子どもたちは実家を持つことが出来ると考えた。
4.斜面地の活性化
当社の事務所がある長崎市は「坂の街」と言われるほど坂道や階段が多く、このような場所の空き家が増えてきている。 別の
視点でみれば、(空き家ではあるが)家があるということはその分、人が住んでいる(住んでいた)ということである。
昭和の終わりまでは坂の上、階段の上でも多くの人たちがそこで生活をしていた。しかし、便利さを追い求めた結果、急激に過
疎化・空き 家化が進んでいる。
そんな地域に、まだ動ける若い世代の方々が住むことで、再び人々が生活をする地域づくりが出来るのではないかと考える。
5.環境対策
「古くなったから」、「誰も住まなくなったから」と言ってまだ住める家を壊してしまうのではなく、一軒でも多くの古い建物を活用し、残し、更に住み継ぐことができる家へと変えていくことで、解体をする(ゴミを出す)必要がなくなり、環境対策へと繋がるのではないだろうか。
家は人が住み、日常の生活の中で窓を開け換気を行い、掃除をし手入れをしていくだけでも寿命は長くなり、
時には壁を塗り替えたり、屋根を張替えたり、手を加えていくことで更に、何十年と寿命は長くなる。
新築のお家も勿論良いが、リノベーション後のお家にも関心を持っていただけると幸いである。
最後までご覧いただきありがとうございました。