南町ヴィレッジ(贈与型賃貸住宅 Vol.1)
(※只今、こちらの物件は入居者募集を行っておりません。)
「空き家となった古い家」=「解体」と思われがち。
しかし「空き家となった古い家」でも、リノベーションをすることで更に、もっと住み続けることができるお家はまだまだある。
今回ご紹介するリノベーションのお家は長崎市内にある「贈与型賃貸住宅」。
「贈与型賃貸住宅」と聞いて、「それは何?」と思われる方が多いと思う。
弊社が開発した「贈与型賃貸住宅」の仕組みやメリットを南町ヴィレッジのリノベーション内容と共にご説明させていただく。
贈与型賃貸住宅について
【仕組み】
漢字7文字の「贈与型賃貸住宅」。
漢字で表現すると少し難しい内容に思われるかもしれないが、仕組みはシンプル。
当初は賃貸住宅として住み続け、10年後に賃貸のまま住み続けるか、贈与(土地建物を無償)で譲り受けるかの選択が自由にできるという仕組み。
なぜ10年か・・・
それは子育て世代の大学進学時期を想定した年数である。
子育て世代において大学進学時が最も教育資金の負担が大きくなる時期であり、その時期に家を贈与で譲り受けることで家賃の支払いがなくなり、家計への負担が軽減できると考えた。
しかし、これは子育て世代だけが対象ではない。
自分の家が持ちたくても、収入や就労状況により融資が上手く利用できない方や
若い世代の方で、将来自分の家が欲しいと思っている方にも活用できる仕組みである。
【メリット】
次に「贈与型賃貸住宅」のメリットについて。
メリットは5つ。
1.空き家対策
全国的に空き家が増えてきている。空き家をリノベーションし、更に数十年、住めるお家にして新たな住人を迎え、空き家を1軒でも多く減らしていく。
2.子育て支援
贈与型賃貸住宅は10年間賃貸物件として住んだ後、土地・建物を贈与する(差し上げる)という仕組み。
子育て世代の10年後、お子様方は高校・大学への進学時期であること想定し、その時期に家賃の支払いがなくなり、少しでも子育てにお役立ちできれば幸いである。
3.マイホーム支援
賃貸として10年間住めば、その後はご自身のお家になる。 資金面での不安等でご自身のお家を断念された方の選択肢になれればと考える。
4.斜面地の活性化
長崎市内の空き家は「斜面地」に多い。斜面地にあるリノベーションしたお家に人々が住むことで、その斜面地の活性化に繋がる。
5.環境対策
当社のリノベーションの特徴は❝古いものと新しものの組み合わせ❞である。古いからと言って、壊すのではなく、まだまだ使用できるものは残していくことで、解体されるもの(ゴミとなってしまうもの)を減らしていく。
※「贈与型賃貸住宅」は当社が作った言葉で、仕組みであり、国や地方自治体の補助金制度ではありません。
ここからは、お家の写真と一緒にご紹介。
「南町ヴィレッジ」は名前に「南」が入っているだけに、南向きのとても日当たりの良い地域にある。しかし、昭和の終わりと共に周辺に住む人々の数はピークを迎え急激に空き家が増え続けている。
斜面地にあるこの物件は坂道を200mほど登った所にあるバス通りと、200mほど下った所にあるバス通りとの中間地点で、この地域では大変な場所にあるといえる。
しかし、あえてこの場所にある家をリノベーションしたのには理由がある。
それは、この家に人が住むことで人々が行き来し、再び人々の声が交わる地域となり、それに伴って人々の暮らしが周囲に広がっていけばという思いからである。
既存のまま活かした玄関。昭和らしい2種類のデザインタイル。懐かしい感じはあるが、古くさい感じはなぜかしない玄関である。
こちらもタイル張りの洗面台。内覧された方々から「私の家にもあった」というお声を聞いた。かわいいタイル張りの洗面台でお洒落である。
こちらはリビングのBeforeとAfterの写真である。
それぞれのお部屋を用途別に使用しやすいよう、壁を作った。
壁や戸を作ることで空間を使いやすくすることができるが、逆に外すことで動線が楽になる。
必要なところには壁や戸を設置し、不要なところは外す。
そうすることで、その家での暮らしがより充実したものへと変わっていく。
ここまで、「南町ヴィレッジ(贈与型賃貸住宅)」についてご説明、ご紹介をさせていただいた。
「贈与型賃貸住宅」の詳細について、初めて耳にされた方が多いと思われる。
弊社も初めての取り組みであり、今後も更に取り組んでいく。
取り組むことで、既に述べた4つのメリットを得る地域が広がっていき、
実家が持ち家の子供たちが増え、
人の集まる「坂の街」を地元の人や地元以外の人が好きになり、
将来、子供たちが自然と古い家やモノを大切にする社会が構築されることが望ましいと考える。
「私たちのこの小さな活動の原動力は10年後の子供たちの成長にある。」
最後までご覧いただきありがとうございました。
↓YouTuber 品川さんの「長崎暮らし」でもこちらのお家を見ることができます。